B型肝炎もエイズと同様、ウイルス感染による病気です。感染の約8割がセックスによるもので、しかも
血液を介して感染するというところもエイズとよく似ています。しかしB型肝炎は、伝染病でも性病でも
ありません。ただ、血液を通してウイルスが感染するだけに、感染の原因のほとんどがセックスによるた
め、問題になるわけです。
B型肝炎ウイルスが人間の体内に侵入すると、ウイルスは血液とともに肝臓へと進み肝細胞にまで達
します。そしてそこで次々と増殖を繰り返し、肝細胞を侵していきます。しかし一方で、この外敵と闘う
リンパ球が、このウイルスを破壊してくれます。このB型ウイルスが一度でも体内に侵入し、これと闘った
ことがある体には、抗体ができ、もう一度B型肝炎ウイルスが侵入しようとしても、ウイルスが肝細胞に
たどりつくことができなくなります。つまり、一度B型肝炎を経験した人は、二度とB型肝炎になることは
ないのです。はしかやおたふくかぜに一度かかると二度とかからないのと同じ理屈です。しかもB型肝炎
ウイルスに感染しても、大人の場合は、ほとんどが不顕性感染に終わってしまうといわれています。不
顕性感染とは、ウイルスがごく一部の肝細胞にしか侵入していない場合で、なんの症状も現れず、知
らないうちに完治して抗体もできてしまいます。B型肝炎ウイルスに不顕性感染したことがある場合、
本人は血液検査によってそれを知ります。
B型肝炎を克服した経験を持つ体にできる抗体は、B型肝炎ワクチンを作る際の原料となります。リン
パ球がウイルスを破壊する前に、すでに広い範囲にわたってウイルスが肝細胞に侵入している場合
が、急性肝炎です。こうなると黄だんなどの症状が現れますが、これは必ず治りますし、二度とB型肝
炎に悩まされることはありません。しかし気をつけなければならないのは、ウイルスの侵入がほとんどすべ
ての肝細胞にわたっていると劇症肝炎と呼ばれる死亡する危険性あるので、油断できない病気に陥
ってしまうことです。
B型肝炎ウイルスが子どもの体内に入り込むと、そのウイルスは一生肝臓の中に住み続け、こうした状
態をキャリアと呼んでいます。子どもの体は、まだ未熟なためB型肝炎ウイルスを異物と判断できず、
肝臓内に居座らせてしまうのです。キャリアになっても、ほとんどの人は肝炎にならずにすむのですが、
約一割ほどの人が肝炎を発病し、これが慢性肝炎となります。B型肝炎もまた、血液が感染経路と
なりますから、激しいセックスによって皮膚や粘膜が傷つき、そこにB型肝炎ウイルスの入った血液が付
着することで、感染してしまいます。
ほとんどの人が発病しないですむとはいえ、急性肝炎や劇症肝炎にまで及ぶ可能性はあるわけです
から、気をつけるにこしたことはありません。エイズの予防と同様、正常なセックスを心がけ、皮膚や粘
膜を傷つけるような行為はできるだけ避けたいものです。

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